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車道を走る自転車(パリ 2019年)


井澤:一段高い歩行者道を自転車道と分割しても、場合によっては段差があって走りづらいところがありますからね。 

高松:はい。

歩行者、自転車、クルマ。完全に分離させているところもある。(パリ 2019年)


井澤:車道は段差がないからスムーズ。一方でトラックが走るとか、路駐の自動車を避けなければならないので危険性が高い。本来は車道部分に自転車道を整備すべきです。 

パリ市はヴェリブというレンタサイクル・サービス(緑色の自転車)を提供している。(パリ 2019年)
台北のレンタルサイクル“You Bike”。このようなサービスは世界の「都市部」の標準的なものになりつつあるのではないか。(2019年 撮影:高松平藏)


高松:そうですね。70年代後半にエアランゲンの自転車道を整備した市長は「交通の平等」ということをうたっていました。歩行、自転車、自動車、それぞれが安全で最適な速度で移動できるという意味です。名古屋市の場合、自転車道が部分的に整備されているとのことですが、いかがですか?

井澤:歩道と車道を削って、自転車道を整備しました。そのとき、歩道の街路樹を切った。 

高松:あらま。 

井澤:歩道のレベルに合わせてやるので、段差が解消されていない。横断歩道のところをも複雑で、その結果自転車を乗る人はスムーズに走れるよう歩道をつっきるようなことが出てくる。すると歩道が危ないというので、歩行者は自転車道を歩くと言った逆転現象があらわれました。一時期「こんな自転車道を作ってはいけない」というモデルになっていた。現在はそういう問題は解消されましたが。

子供を乗せるチャイルドトレーラーを牽引する人も多い。高松も子供が小さかったころよく使用していた。(ドイツ・エアランゲン市)


高松:エアランゲンを見ると、しょっちゅういじっています。最初の段階では、幹線道路をくぐる専用トンネルをわざわざ作る一方で、車道を分割するだけのところもあった。「とりあえず作った」という感じです。しかし、先程申し上げたようにアップデートを続ける。どんどんクオリティが上がってきています。

市街を囲むように広がる森は「山」ではなく平地。未舗装だが道が整備され、通勤時間などは自転車がよく通る。「森のミュージアム」には丸太を利用した駐輪場が整備されている。(ドイツ・エアランゲン市)


井澤:「自転車通勤ニスト」という言葉はあるんですけど、全然一般化してない。満員電車が本当に感染クラスターになっているかどうか不明ですが、密ではある。それを避けたい場合、自転車に切り替える人が出てくるかもしれませんね。(第3回に続く


以下、エアランゲン市の自転車道動画2本

自転車専用道のトンネルで快適走行(エアランゲン市)
自転車と都市:森を通って、通勤・通学するドイツ(エアランゲン市)

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第3回「オープンカフェが成り立つ基本的な条件とは?」に続きます

4回シリーズ 長電話対談 井澤知旦×高松平藏
公共空間の使い方で都市の質が決まる■
第1回 ドイツの市街地に本棚、その意味は?
▶第2回 自転車道はどうつくる?
第3回 オープンカフェが成り立つ基本的な条件とは?
(以下近日公開)
第4回 都市の弾力性と「コロナインパクト」


ドイツ・エアランゲンからネットを使って対談。あたかも「長電話」の如く、長尺対談記事の一覧はこちら