当サイト主宰の高松平藏が第1回目の「インターローカル サロン」を8月7日にZoomを使用して開催した。テーマは「町のスポーツ・文化と外国人市民 -『ドイツ』は彼らとどう生きたいのか」。20人足らずの方に参加いただいた。参加者のお一人、鈴村裕輔さん(名城大学 准教授)が、自身の「研究ブログにサロンの様子について執筆してくださった(8月8日付)。承諾を得て、転載する。(このページの見出しは適宜、当サイトでつけた)

2020年8月12日 文・ 鈴村裕輔(名城大学 准教授)


鈴村裕輔さん(名城大学 准教授)同氏も議論に加わっていただいた。

昨日は、21時から23時30分まで第1回インターローカルサロン「町のスポーツ・文化と外国人市民--「ドイツ」は彼らとどう生きたいのか」に参加しました。

インターローカルサロンは在独のジャーナリスト高松平藏さんが主宰する遠隔会議方式の集まりで、18世紀末に欧州各地で起きた、身分、性別、職業を超えて読書と議論を楽しんだ読書クラブの21世紀版を目指すものです。

第1回目の集まりとなった今回は、最初にドイツの中でも特に高松さんが活動の拠点とするバイエルン州エアランゲン市を取り上げ、外国人市民を民主主義という制度の成員(=市民)とするともに、民主主義を強靭にすることを目的としてどのような取り組みがなされているかが説明されました。

高松平藏による話題提供としての講演。


具体的にはスポーツや美術館・博物館・市民教育機関が社会の中でどのような役割を果たしているのか、また、社会運動やエアランゲン氏が2009年以来毎年開く統合会議を通して、都市の持つ役割や特長、そしてそれらの要素を支える人間の尊厳や平等、寛容、意見の自由を基盤とする「草の根型のデモクラシー」の意味が検討されました。

高松さんの報告の後は参加者との質疑応答と意見交換が行われ、スポーツと都市、スポーツと社会、市民と文化のかかわり方などについて様々な対話がなされました。

今後、インターローカルサロンが参加者により広く門戸を開いた集まりとして発展することが期待されるところです。


※次回のインターローカルサロンの開催日は未定ですが、参加してみたいという方は連絡をください。開催日が決まればお知らせします。(主宰者 高松平藏)


鈴村裕輔(すずむらゆうすけ)

1976年生まれ。東京都出身。法政大学大学院国際日本学インスティテュート政治学研究科政治学専攻博士後期課程修了。博士(学術)。名城大学外国語学部准教授。法政大学国際日本学研究所客員所員、法政大学江戸東京研究センター客員研究員、立正大学石橋湛山研究センター特別研究員。主な専門は比較思想、政治史、文化研究。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に『MLBが付けた日本人選手の値段』(講談社、2005年)などがある。また、2009年4月より『体育科教育』(大修館書店)に「スポーツの今を知るために」を連載し、スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析するほか、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿を行っている。野球文化學會会長、日本国際文化学会常任理事・編集委員、石橋湛山研究学会世話人。
(以上、研究ブログより転載)