今年は2冊の本を出版することができた。しかし両方ともスポーツの本という共通点はあるが、どう違うのだろうか?実はこんな相関関係がある。

2020年10月15日 文・高松平藏(ドイツ在住ジャーナリスト)

3月に「ドイツのスポーツ都市」(学芸出版)を出した。次いで11月30日に「ドイツの学校には なぜ 『部活』がないのか」(晃洋書房)を出版する(現在Amazonで予約受付中)。

どちらもスポーツの本なのだが、端的にいえば前者は「スポーツ・都市・健康」、後者は「スポーツと社会」の本である。それを図式にすると冒頭のようなかたちになる。

もう少し詳しく書く。
「ドイツのスポーツ都市 健康に暮らせるまちのつくり方」
地域のスポーツクラブ、行政、都市計画、経済・政治が有機的に結びつくことで、都市の質を高めることにつながっている。そのメカニズムに重点をおいたものだ。


メディアで紹介していただいたり、たくさんのコメントなどもいただいている。こちらに詳細あり
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「ドイツの学校には なぜ 『部活』がないのか 非体育会系スポーツが生み出す文化、コミュニティ、そして豊かな時間」
都市の主役は市民である。意見を述べ合うような人間関係、寛容で多様性を認めるそういった考え方が大切だ。そういう課題に対して、一役も二役も買っているのがスポーツの「社会的価値」である。ここに重点をおいて書いている。そして、日本と比べたとき、部活などで顕著に見られる「体育会系」というスポーツ文化とは全くといってよいほど異なる。


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都市の質を高めるメカニズムを見つつ、そのメカニズムを動かす社会的価値。この両者はまぎれもなく深い関係がある。そして「都市の発展」をテーマにしてきた私にとっては、どちらも「都市の本」なのである。

私はドイツで外国人である。その点、全ての著作は所詮「外国人が見たドイツ」である。それにしても両方を手にとっていただければスポーツから見たドイツを立体的に(幾ばくか)ご理解できるかと思う。(了)

執筆者:高松平藏(たかまつ へいぞう)
ドイツ在住ジャーナリストで当サイトの主宰者。 著書に「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか」など。 最新刊は「ドイツのスポーツ都市 健康に暮らせるまちのつくり方」 (2020年3月)
一時帰国では講演・講義、またドイツでも研修プログラム「インターローカルスクール」を主宰している。プロフィール詳細はこちら