「買いだめの世界史」という架空の本の紹介。こんな本があれば読みたい。甘木それがし氏も架空の著者。

2020年3月5日 文・高松平藏(架空書店 店主)

甘木それがし著 買いだめの世界史(若被新書)
目次
はじめに 人はいつ、誰のために買いだめに走るのか
第1章 世界初の買いだめ
第2章 買いだめする「消費者」の誕生
第3章 戦争、災害、疫病が実際にもたらすもの
第4章 トイレットペーパー・パニックの心理と情報流通
第5章 グローバル化した世界の品不足
第6章 国家権力とリスクマネジメント
おわりに 買いだめが一切おこらなかった国は? 
付録:買いだめ国別比較表

その広がりかたには驚かされた。グローバル化した世界のコインの裏側だ。

2020年に入り、いきなり 新型コロナウイルス感染症が広がった。 日本ではトイレットペーパーなどの買いだめに走る人が出た。ほどなくして、ドイツでもウィルス感染者が増えてきているが、彼の国でも買いだめがはじまった。

パスタ、小麦粉、砂糖、トマトソース、缶詰など長期保存がきくものを買いだめる。消毒液も売り切れ。 トイレットペーパーを買う人もでている。

このへんの心理はドイツも同じ。しかし何を買いだめするのかは各国共通のもの、異なるものがあるだろう。また何のために、誰のために買いだめをするのか。
あるいは、買いだめのおこらない国や地域もひょっとしてあるかもしれない。

買いだめについて、国際比較するとリスクマネジメントなどに応用できるようにも思う。

ちなみにドイツでドイツでは買いだめを「ハムスター買い」という。ハムスターは食べ物を溜め込むことで知られるが、そこから想起された言葉。(了)

執筆者:高松平藏(たかまつ へいぞう)
このページでの肩書は「架空書店店主」だが、ドイツ在住ジャーナリストで当サイトの主宰者。そして、架空本ではなく本当の著書もある。「ドイツのスポーツ都市」「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか」など。
一時帰国で講演・講義、またドイツでも研修プログラム「インターローカルスクール」を主宰している。プロフィール詳細はこちら