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西村:僕がいたUCサンタクルーズの話に戻すとね、ここにはCenter for Agroecology and Sustainable Food Systems :CASFS(農業生態学と持続可能な食のシステムのための研究センター)があるんです。

高松:チャドウィックと関係があるんですか?

西村:はい、それはもう、おおいに。「アラン・チャドウィック・ガーデン」に始まった学生菜園プロジェクトが発端となって50数年、連綿と続いているんです。面積を広げて30エーカーもの「ファーム」に発展。さらに現在はそういう研究教育組織になっているのです。

高松:なるほど。

西村さんによると、UCSCStudent GardenだったものからUCSC Farmに拡大・発展。「農学部」ではなく「社会科学部環境学科」となっているのがカギ。(写真=西村さん提供)

西村:ここはいわゆる「農学部」ではないのもユニークですね。農学研究だと農薬や化学肥料の研究をやっちゃうわけでしょ。

高松:確かにそうです。面白いですね。

西村:そこでは生態学的な持続可能性だけでなく、社会的な問題の持続可能性も扱っている。


オーガニック農業の問題


西村:例えば、カリフォルニアの農業を見ると、メキシコ移民の安価な労働力に依存して成り立っている。オーガニック農業もこの構造にあります。

高松:はい。

西村:その一方で、かつて高い値段がついていたオーガニック農産物が生活の中に浸透してきた。これによって普通の農産物との価格差がどんどん縮まった。どこでも大手スーパーでも有機野菜が売っている。

高松:ドイツのスーパーを見ても同様の傾向があります。

西村:そういう状況になってくるとね、この中で価格競争が起こる。そうすると、農業を産業としてみたときのオーガニック農産物の旨味みたいなものが、どんどん失われてきている。つまり、経営的にしんどくなる。

高松:商品としての優位性がなくなるということですね。

西村:そうです。農家も労働力やそのコスト、そして市場からの影響下からは逃れられない。手を変え、品を変えて競争力のあるものを生産するから価格競争も当然。

高松:まあ、そうですね。

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最終ページ コミュニティの独立性がひとつの希望?