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/// コラム  ///

2003-09-23

 


男と女はどう違う


  しばしば議論になる男と女の違い。医療分野では一筋縄ではいかない性差があるようだ。

 今年 5 月にドイツ・バイエルン州の地方都市、エアランゲンで開催された医療の専門会議の一環で『女性と中毒』と題する講演がおこなわれた。地元紙の報道によると、この会議で明らかになったのが、薬物中毒の 3 分 2、アルコール中毒の 3 分 1 が女性だという。家庭と仕事の両立させることに対して社会からの期待が大きすぎるということから頭痛、不眠症などに見舞われ、アルコールや薬物に走るという。また、多くの女性が中毒状態にあることが他人にわからないように装うことが多いことも中毒が悪化する要因になっている。いわゆるジェンダー(社会的・文化的性差や、女らしさ・男らしさ)が背景になっているケースだ。

 『女性は他の(特別な)医療が必要』と今年の 2 月に特集を組んだのは全国の薬局で配布される健康雑誌。医師の偏見やイメージは誤診にもつながることを同誌は指摘する。たとえば心臓発作はは一般的に男性の病気とされるが、心臓発作で死亡する人の 45 %が女性。女性の場合、自覚症状が男性と異なる上、偏見のせいで救急医を呼ぶのは男性よりも遅いという。

 また、同誌は女性のほうが自分の体に対して敏感で定期検査などに女性のほうがよく行くとも。これを裏付けるかのような指摘をするのが皮膚科の医師、マニジジェ・ファルタセ博士(女性、エアランゲン市)。『男性のほうが皮膚にまつわる経験が少ない。だから薬を処方するときにでも薬を塗り続けなければならないということから話す必要がある。また病状についても細かく説明しなければならない』という。

医療の現場では医師の患者に対する接しかたもかわってくる。『すべての患者に対して平等に扱っているつもりだが、偏見を承知でいえば女性に対しては(不安を取り除くために)いたわりの言葉をかけることが多く、男性に対しては治療の技術面の説明を多く話す傾向はある』と歯科医のミヒャエル・ヴィットマン博士(男性、フュルト市)はいう。

 人権の見地から男女平等がうたわれ、社会のあり方もそれに沿って変化してきた。それにしても生理的な性差があることは厳然たる事実。さらに社会的・文化的な理由による差なのか生理的な差なのかが判明しないグレーゾーンもある。医療分野では様々なケースでの性差が表面化する。

 ちなみに全国の学校の I T 化を進める NPO がドイツにあるが、すべての学校にコンピュータを導入したあとに明らかになったのが I T に対する男女の接し方の違い。その結果、女性専用のホームページを作ったというケースもある。平等という考え方と性差を複眼的に考える人権思想が必要な時代に入ってきた。(了)

(『週刊京都経済』 2003年7月21日付に掲載分)
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『女性の中には、診察用のイスに座ったとたん、わっ泣き出す人もいる。そういう時は泣き止むまでそっと待ちます』というミヒャエル・ヴィットマン博士。

【編集メモ】 日本滞在記〜大病院とホームドクター

◆日本滞在期間(8月)の後半、体調を崩したおかげ(?)で久々に日本の病院にやっかいになりました。

◆『ただの風邪ではない』と感じてたずねたM病院。以前、奈良に住んでいたときに探しだした個人病院で、『ホームドクター』のつもりでお世話になっていたところです。当時は、子供たちの予防接種と風邪ぐらいでしか訪ねませんでしたが、診断のプロセスをまじえた説明のしかたが気に入っていたところでした。

◆同病院のM先生、私の病状と検査の結果から『入院の必要性がありそうだから、大病院を紹介しますよ』とのこと。奈良県内 T 市の総合病院の医師を紹介してもらい、翌日赴きました。

◆総合病院の待合室で目にはいったのが、『紹介状なしの場合、初診の方は○円いただきます』の張り紙。ホームドクターを推進しようということでしょうが、患者側の大病院信仰がまだまだ大きいせいか、千客万来。私はといえば検査と診察、そして長い待ち時間で1日がかり。朝に服用した薬もきれてきて、再び熱が上がってきます。なかなかの苦行でありました。

◆さて、総合病院では入院はまぬがれたもののマメに検査をして継続的に観察が必要とのこと。その検査を個人病院ですますことになりました。それにしても、驚きだったことは総合病院の医師とM先生が何度かメールや手紙で私の病状に関するデータや診断の結果をやりとりしていたことでした。

◆最後の通院は総合病院。検査の結果なんとか回復し、通院は必要がなくなったわけですが、なんと数日後、M先生から『その後大丈夫ですか?』とのフォローの電話。日本の医療制度は混迷しているようですし、その一方個人カルテをICカード化する技術などもてはやされています。そんな中、医師同士の密なネットワークが患者にとって安心感と満足感をもたらす、ということを体験できた一件でした。(高松 平藏)

※2003年8月5日から9月7日まで日本に一時帰国しました。インターローカル ニュースの編集後記として執筆したものです。

 

 

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