|
インターローカル ニュース |
|
||
|
|
/// ニュース /// |
2003-08-02 |
|
|
|
文化と医療の講演、 無理はあったが・・・ |
||
医療技術のインキュベーターと市の「文化と余暇部」は偶然にも隣り合わせ。 インキュベーターの周辺は今も工事中で、両方ををつなげる「道」も整備されている。 (「文化と余暇部」の敷地から撮影) |
|||
| ドイツ南部のエアランゲン市のミュージアムでこのほど、同市の文化部の責任者、ディエター・ロスマイスル氏が『医療都市と文化』と題した講演を行った。同ミュージアムでは3月末から
7 月 27 日まで『産屋や試験管ベビー』という展示会が行われており、その展示会の一環で行われたものだ。 医療と文化、一見接点がなさそうな分野だが、技術や時代の価値観などの『変化に依存しているところに接点がある』とはじめた。 また、『病院の数は街のヒューマニズムを証明するもの。WHO(世界保健機構)の健康の定義は肉体(のみならず)精神、社会的状況に問題がないことと定義している。以前はうつ病でも体が丈夫ならば病気として見られることはなかった』と語った。 その上で『エアランゲンには医療技術のための研究機関があり、医療倫理や医療の歴史に関する研究機関もあることを重ねて、エアランゲンのアイデンティティを明確にするためには医療と文化両方が必要だ』 さてこの講演、企画としては失敗だった。事実上の街の文化大臣であるロスマイスル氏の語りはいつも確信に満ち、快活だ。地元の記者は『彼は政治家だからね(弁が立つんだ)』と肩をすくめるほどだ。だが、講演の冒頭でテーマに無理があることを遠まわしに断り、話にも説得力にかけることもあった。聴衆もわずか 20 人程度だ。 そんな話の最後に登場したのは都市と経済、文化に関するドイツのスタンダードともいうべき理論だった。 経済のためには市民がいて、場があり、交通機関があるといったことが会社にとって第一条件。その次にくるのがソフトの充実だ。ここに文化が入る余地が相当ある。 つまり、文化の充実がなければ、会社が社員のために高い家賃を払って家を借りても、余暇をすごせる環境がなければ家族がついてこない。また、子弟のためには学校も必要だ。生活と仕事が並列でそれに必要なソフト=文化が絡み合って、はじめて経 済の興隆があるという考え方だ。 エアランゲンは人口約 10 万人の都市。8 万人の労働市場のうち 2 万人が病院、大学、企業を含めた医療関係だ。数年前から医療都市を目指しており、最近、医療技術専門のビジネスインキュベーターもできた。"メディカル・バレー"の構築にあわせて新たな街の自己像を几帳面に確立せんとするドイツの文化ポリティクスの一面が浮き彫りになったかたちだ。(了 (『週刊京都経済』 2003年7月07日付に掲載分) ・・・購読はこちら |
ディエター・ロスマイスル博士 |
||
|
【編集メモ】 ザリガニと地方分権 ※2003年8月に、日本へ一時帰国しました。その時に執筆したものです。 |
|||
| ◆3人の子供を連れてドイツから奈良の実家に一時帰郷しています。8、9日には『舞台芸術・芸能見本市2003大阪』が行われ、両日ともにセミナーの仕事。10日の日曜日は緊張の糸がゆるんで、ぼんやり過ごしました。 ◆それでも、気をとりなおして、網を持って近所の川で子供たちとザリガニとりに興じました。昔はフナやメダカもたくさんいたのですが、ほかの生き物がめにつきません。単純に生物の数が減ったのか、それとも、網さばきが下手になったのか・・・。 ◆もうひとつの問題は、網をふるう場所もいささか減ったことにもありそうです。実家の周囲は農家が多く、田んぼばかりなのですが、それでも道路沿いの川をコンクリートでふさいでしまっているところが増えているのです。 ◆久々に日本に戻るといつも逆カルチャー・ショックをうけます。たとえば久しぶりに奈良の田園地帯を運転すると、ただでさえも狭い道路を走りながら、側溝に脱輪しないかと不安を感じます。しかし川をコンクリートでふさぎ、事実上道路幅が広くなった家の近所の道は少し安心して走れます。ところが、今回、網を振るう場が減っていることに気がつきました。 ◆『出身は奈良です』と申し上げると、観光地や山々、歴史を思い出し、『いいところですね』とおっしゃる方が多いものです。しかし奈良の田園地帯に生まれ育った私は素直に『そうなんですよ』といえないのがツライところ。 ◆確かに自然などの地域資源になりそうなものはたくさんあります。しかし資源を応用するための行政、自治に関しては、決して自慢できるような状態ではないように思えます。時代は地方分権に向かっていますが、いいかえれば、地域が持つ自然、歴史、既存のハード、人材といった資源をきちんと編み上げて、便利さはもちろん、快適性、安全性のある街にしていく能力が求められます。 ◆8日、9日のセミナーもアートフェスティバルや持続可能性、という観点から見た地域主権の条件がテーマでした。昨今の地方分権の議論は財源の問題がメインテーマになっているような印象を私はもっているのですが、子供たちとザリガニをとりながら、ふと、自治の意味を考えこんでしまいました。(高松 平藏) |
|||
|
|
|
||
|
|インターローカルニュースtop | 記事一覧 | |
|||