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2003-03-14

 


フランクフルト『ミュージックメッセ』より
ピアノは経済成長のステイタス
中国都市部、個人消費に変化

 中国ピアノ部品メーカー、寧波東方琴業總公司(中国・寧波慈渓市)は今年増産予定であることを明らかにした。好調な経済成長に伴い、中国の家庭向けにピアノの需要が伸びていることが背景にある。

 同社はピアノの鍵盤、弦を叩く『ハンマー』、鍵盤からハンマーへ動きを伝達する『アクション』と呼ばれる部品を製造している。フランクフルトでこのほど行われた音楽関連の見本市に出展した。

 マーケティング・マネジングディレクターの Luo Jian-feng さんによると2002年は7〜8万セットを製造。今年は10万セットを製造する予定だという。

 同社は15年前に創業。中国国内はもとより、韓国、日本のピアノメーカーへも輸出している。急激に生産台数が伸びたのが3年前から。中国都市部の家庭でピアノを購入するケースが増えたからだ。今年の増産予定も『中国国内の需要が増えていることが大きな理由』(同氏)。


30年前の日本製ピアノ、中国へ
 同じく『ミュージックメッセ』に出展した中古ピアノ売買のタケモト商店(大阪・堺市)の販売先の5割がアジア方面。営業部の畑中利裕さんは『最近は中国、韓国は教育熱の高まりがあり、よく伸びている』という。

 一方、同社が日本国内で買い取る中古ピアノは30年ほど前のものが最も多いという。『かつての高度経済成長期にステイタスとして家庭で買われたものだ』(畑中さん)。

 そんなピアノが今、中国へ輸出されている。中国の都市部でも『家庭でピアノを持つことは一種のステイタス』(Luoさん)だという。個人の購買力が強まるにつれ、変化する消費動向が垣間見える。

 フランクフルトの『ミュージックメッセ』は欧州最大の音楽見本市。今月5日から9日まで行われた。中国からの出展数は58。国別では6番目に多い。アジアからは最多。

 ちなみに昨年はじめて中国でも同様の見本市『ミュージック・チャイナ』が開催されている。(了)

(『週刊京都経済』 2003年3月17日付掲載分)
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【編集メモ】 マシな消費文明

経済成長のめざましいアジアの国々の都市部では人々の『物欲』が強大化している、というはなしをしばしば聞きます。経済成長とは裏返せば消費文明への道のりともいえそうです。ピアノなどのモノがステイタスになるようなことは程度の差こそあれ、いわゆる先進国と呼ばれる国々でも起こっていた現象です。

『モノとステイタス』で思い出すのが、エアランゲンの前市長、ハールベーク博士のはなし。エアランゲンは70年代から自転車道の整備が進められた街です。同博士は自転車道整備のプロジェクトリーダーでもありました。

博士は自転車道整備がスムーズにできた理由のひとつに、エアランゲンが大企業のシーメンスの一拠点であり、ホワイトカラーの多い街だったからではないかとしています。すなわち、自動車を持つことが決してステイタスになるわけでもなかった、というわけです。

昨年のヨハネスブルグの環境サミットでは『開発と持続可能性』に改めて注目をあびましたが、持続可能性の社会とはいかに『マシな消費文明』にできるか、ということなのでしょう。世界中を見れば、ドイツも日本と同様、消費文明大国です。ただ少し、環境問題対策を考えることを一歩先に考えてきたことが、『マシな消費文明』の国になった理由のひとつのように思えます。

さて、日本で時々『清貧』という言葉が先端の生き方とでもいうようなニュアンスで登場しますが、『マシな消費文明』にまでもっていけるかどうか。そして、経済成長著しいアジアの都市部は?(高松 平藏)

『3年前から急激に増産』というLuoさん。ちなみに中国は2001年にWTOに加盟した。

 

 

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