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/// インタビュー///
2003-03-14
ゴミ分別の現実を見た
エアランゲン大学に留学した 寺井かなえ さん(22歳)
ごみ問題を勉強したい── 昨年 3 月から 1 年間エアランゲン・ニュルンベルグ大学に留学した大学生、寺井かなえさん。ドイツでの体験をきいてみた。(聞き手は高松 平藏)
■具体的な目的があっての留学。すばらしいと思いますが、なぜ『ゴミ』なんですか。
『どういうわけか、私は小学校の低学年のころからゴミを分別するのが好きだった (笑)。そもそもモノを捨てられない性分なのですが、どうせ捨てるならきちんとわけよう。そんなことからゴミへの関心が高まったのだと思います』
『大学に進学するときも環境問題を学べるところを選び、三重大学の人間環境を学ぶ学部へ。しかし、この学問は広範囲にわたるため、ゴミに関する授業は少ないですね」
■ドイツで学びたいと思った直接の原因は
『ドイツに1年住んで、自分が強くなりました』という寺井さん
『東 簾(あずま・れん)教授の授業です。授業の中でゴミの話やエアランゲンの話が何度も出た。それで、ぜひ見てみたいと思うようになったわけです』
『一度目は 2001 年に 1 ヶ月、エアランゲンでホームステイしました。ドイツ人の家庭で行われているゴミの分別をじっくり見ました』
『そして昨年 3 月から 1 年間留学。この 1 年は学生用のアパートに住みました。普段の買い物からすべて自分でしなくてはならないわけで、最初のホームステイとはちがい、「生活した」という実感があります』
■日本とドイツ、分別の違いはありますか。
【東 廉 さん】・・・専門は日欧比較都市農村計画論。
三重県女性センター主催のドイツ研修の指導なども行っており、研修先としてエアランゲンにも何度か訪れている『ゲルブルサックと呼ばれる黄色いビニール袋があります。これが印象的でした。この袋に捨てることができるのは 「緑の点( Gruene Punkt )」 というマークのついた容器包装。これらは DSD( Duales System Deutscheland )社によって回収・処理・再生が行われます。つまり、「緑の点」がついている容器包装であれば、紙でもプラスチックでも何でも黄色の袋に入れられる』
『ホームステイ先の家庭でもどんどん使用済みの容器包装をこの袋に捨てていました。しかもヨーグルトのプラスチックのカップなんかも洗わずにそのまま。いったい、回収後はどういうふうに分類し、再生しているのかということは普段の生活の中では見えてこないのですが、とにかく驚きました。日本の場合、まず 「燃えるゴミ、燃えないゴミ」 で分類しますからね』
『そのほかには、コルクを回収するところもあり、ああ、なるほど、と思いました。ドイツの人のほうが明らかにワインをよく飲みますますから。それから、不要になった CD(コンパクトディスク) なんかも回収しているのには驚きました』
■ドイツの大学での授業でゴミ分別についての発表もされたとか。
『はい。面白かったのはドイツ人の学生が 「そういう仕組みだったのか、(ドイツ人である)私でさえも知らなかった」 といったことを漏らしていたこと』
『日本との比較でいえば、環境問題に対して意識をもっている人はドイツのほうが多いと感じますが、「環境先進国」 という先入観で実生活を見るとがっかりすることもありますね。学生の中には分別する人はきちんとしますが、そうでない人もいます。また、エアランゲンはまだきれいなほうですが、大きな都市へ行くと、道端や公園にゴミがたくさん落ちています』
『帰国後ですか? 論文を書きます。DSD がテーマ。先日、同社を訪ねて、たくさんの資料をもらってきました。まず読みこなすのが大変になりそうです(笑)』
<<取材メモ>> 寺井さんの収穫
『 DSD のような仕組みをよくぞつくったものだと思います』と寺井さんは感心する一方、『本当にきちんとリサイクルができているのだろうか』という疑問も。そして、『環境先進国』というドイツのブランドとその現実。寺井さんが 1 年間の留学で得たものは、物事を相対化して見るということかもしれない。
帰国後は論文執筆のほかに就職活動をする予定もある。「以前は OL にでもなればいいやと思っていましたが、外国の人と触れ合うような仕事をしたい」。自分のやりたいことも、ぼんやりと見えてきた。(了)
【緑の点】・・・DSD に回収・処理・再生を委託した 企業の製品につけるマーク。企業はマークの使用 料を委託費としてDSDに支払っているため結果的には消費者が回収・処理・再生の費用を負担していることになる。
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