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2003-01-21

 


ドイツ
デポジット義務の強化実施
市場構造の変化が発端

ドイツで容器の預り金払い戻しの制度、いわゆるデポジット制度が強化された。これまでもビール瓶をはじめとする容器の回収・再利用はおこなわれてきたが、強制の適用範囲が広げられる。導入までに缶飲料メーカーら反対派による裁判もいくつかなされたが、法律の強制力が押し切ったかたちだ。ドイツはより徹底した循環型社会にむかう。

今回の特徴は強制デポジットの対象が容器の形態よりも容器の中身によって決定されたこと。内容物が、ビール、ミネラルウォーター、炭酸清涼飲料水であればいずれもデポジットの対象で、1.5リットルまでが0.25ユーロ、これを超えると0.5ユーロのデポジット料金が課せられる。なお、ワインやミルクのテトラパックについては対象外。

さて、今月1日から実効となったものの、やや混乱もある。

ビール瓶やペットボトルなど、これまでデポジット対象になっている容器についてはA店で買ったものでもB店で返却ができ、預かり金も返してもらうことができた。しかし、新規のデポジット対象の容器については消費者は買った店へ返却しなければならない。当分、各店舗が管理することになっているからだ。

そのため、こんなことがおこりうる。

A駅で缶ジュースを購入して電車に乗ってB駅まで行く。しかし消費者はB駅では返却はできない。A駅に戻るまで空缶を持ちつづけるか、預かり金0.25ユーロの返却をあきらめゴミ箱に捨てるかという選択に迫られる。

連邦政府は今年10月から全国統一のシステムを導入するとしているが、現在のところ、業務が繁雑になるため、缶入り飲料の販売を中止するスーパーも出てきた。ある小売店の店主は 『よけいな仕事がふえた』 とこぼす。

市場構造の変化背後に
ところで、今回のデポジット義務の強化は使い捨て容器が増えたことに端を発する。

91年に施行された包装廃棄物規制令の中には年にリターナブル容器の比率が72%を下回るとデポジットの義務が発生するというルールがある。97年にはじめて72%を下回り、2000年には65.5%まで下がる。

これをうけてデポ強化が導入されたわけだが、その背後には飲料水・酒類の市場構造の変化がある。

たとえば長年ドイツのビールといえば、地元の瓶ビールが主流だが、大量生産とマーケティングに基づいた缶ビールが売られるようになった。近年、消費者の健康志向からビールの消費量そのものは減少傾向にあるにもかかわらず、若者には缶ビールに人気が出ている。

そんな状況に対して、中小のビール会社の多いバイエルン州では2001年にデポジット義務の強化をサポートすることを早々に決定。大規模のビール会社の缶ビールを使い捨て可能のままにしておけば、中小のビール会社はつぶれてしまうからだ。ちなみに1000社が経営の危機に陥り、25万人の職場が危なくなるとはじきだしていた。(了)

( 『週刊京都経済』2003年1月13日掲載分)


今のところ、買った店に容器を返却しなければならない。そのため店側は専用の引き換え券をお客に渡している。

 

 

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