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2002-12-07

 


 「持続可能性」が新市場?

都市でどう働くか、どう生活するか

シーメンスの 『Living City』
【エアランゲン】 2025年、世界中の3分2の人が都市に住むだろう。──そんな、近未来を見据えた都市のビジョンを打ち出した展示が行われた。

シーメンスフォーラム

近未来の働き方を示した『Modern Working』のブース(写真=SiemensForum Erlangen)
都市人口の増加を前提に
この展示は『Living City』と銘打たれたもの。総合電機メーカー、シーメンスが、同社の一拠点であるドイツ南部のエアランゲンで今年4月から8月まで行った。期間中、未来の都市ビジョンについてのフォーラムや『The City Never Sleeps』という大きなイベント型のパーティも催された。

会場は「シーメンス フォーラム」と呼ばれる建物。ここでは広報とパブリックリレーションの業務をおこなっている。したがって、同展示会もそういった業務の一環で、社員に限らず、一般の人も自由に見ることができる。また8歳以降の子供も対象だ。

展示については都市人口の増加ということが問題提起の発端。主にパネルや映像などのほかに、コンピューターを使った双方向性の展示になっている。

同社のアネッテ・ポップさん(展示会プロジェクトチーム)によると、「展示を通じて新しいライフスタイルと仕事のやりかたについて議論がでてくるとよい」と話す。


生きる空間、都市
会場内ではおおまかに 『 Social Life 』 『 Net City 』 『 Urban Living 』 『 Modern Working 』の4つのブースにわけられ、今後ヒトが生きる空間として都市はどうあるべきかを包括的に提示した。

文化や芸術、余暇、マルチカルチャーについて扱った「Social Life」などはエアランゲン市の例とだぶらせたつくりにしてあるが、基本的にはあくまでも一般的に生じると考えられる都市問題を扱っている。

ツアーガイドも行われた。
都市人口の増加はエネルギー問題やゴミ問題が発生する。外国人との共存が魅力ともなり問題点ともなる。また高齢化が進み、ITによって働き方がかわる。ライフスタイルや生活のニーズも変化する。

こうした都市化に伴う問題点と解決策を提示しているわけだが、そのために様々な国の例をひきあいにだされている。そんな中で日本のものも1点あった。都市化によって人口が過密化。居住空間はせまくなることが予想されるが、その関連でカプセルホテルが扱われていた。


『都市ソリューション』 が主力商品に
さて、展示のコンセプトが雄弁に語っているのはこの巨大な総合電機メーカーの今後の方向性だろう。

同社は1847年にベルリンで創業。世界中に47万人の社員をかかえるグローバル企業だ。発電所、鉄道など「重電」の部分を担うほか、洗濯機、冷蔵庫などの「家電」も製造販売する。99年には同社とゆかりの深い富士通と「富士通・シーメンス・コンピューターズ」を設立し、IT分野の強化を行っている。つまり、同社は都市のインフラから個人向けの消費財までカバーできるというわけだ。「この展示はシーメンスがどんな街のためにも、ソリューション(問題解決)を提供できるというアピールでもある」(ポップさん)。

ところで、同社はこれまで 『環境レポート』、『コーポレート シチズン レポート』、そして経営一般の『アニュアル レポート』の3種類の年次報告を発行していた。しかし、今年から「持続可能性」をテーマに1本化される予定だ。

年次報告の1本化と『Living City』を重ね合わせると、同社が世界の動向と伴走している様子が浮かび上がる。 

8月末にヨハネスブルグで行われた「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で「環境」と「開発」が国際社会の重要な問題点として再認識されたことは記憶に新しいが、グローバル企業である同社は「都市ソリューション」というかたちで持続可能性に照準をわせている。(了)


(『別冊 週刊京都経済』 2002年10月号に掲載分)
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アネッテ・ポップさん「平均年齢30代前半。女性ばかり5人のプロジェクトチームでつくりました」

 

 

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