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/// コラム///
2002-10-30
MANGAはグローバル経済にのった文化の流通か?
ドイツでのブームをみる
エアランゲンの「コミックサロン」
マンガは有名なメイド・イン・ジャパン。「ポケモン(ポケットモンスター)」をはじめ欧米で人気を博していることはよく知られている。ドイツでも数年前からMANGAブームだ。
■ドイツ語圏最大級のイベント
ドイツのテレビで日本のアニメによくお目にかかる。古くは「アルプスの少女ハイジ」、最近では「ドラゴンボールZ」や「美少女戦士セーラームーン」など新旧さまざまだ。ここ数年で急速にふえている。
テレビアニメと同様、書籍の翻訳本も増えている。こうしたドイツでの「MANGA」ブームの様子がよく出ていたのが5月におこなわれた最大級のコミックイベント「インターナショナル コミック サロン」だろう。
ドイツ南部の地方都市エアランゲン市で2年ごとに行われるこのコミックサロンは今回で10回目。ドイツ語圏最大のコミックイベントだ。キャラクターグッズ、原画、コミック本などの販売会をはじめ、フォーラム、展示会、アニメの上映会などが行われ、街の中心部はコミック一色になる。
ドイツでコミックというと、あくまでも「子供が見るもの」という考え方が支配的だ。いかにも「堅物」のドイツ人らしい考え方といえるが、最近のMANGAブームで少し事情がかわってきたようだ。
過去2年のMANGA事情について語られたフォーラム■ドイツの街にアトムが飛ぶ
ドイツではコミックファンとMANGAファンは少々異なる。同イベントの事実上のプロデューサー、カール・マンフレッド・フィッシャーさん(エアランゲン市文化部)によると、MANGAファンはあくまでも日本のマンガのファンであり、つきつめると日本語の「原書」で読むこともいとわないような愛好家だ。
それに対して、コミックファンとはドイツ語で発行されているコミック作品を楽しむ層だ。
ところが、この2年でMANGAファンとコミックファンがだぶるようになってきた。これをうけるかたちで、今回はポスターに鉄腕アトムが採用された。
■MANGA、コミック本市場を救う?
出版事情にもMANGAブームが反映している。期間中、出版社のMANGA担当者や、コミック事情に詳しいジャーナリストらで「MANGA 、2年間のブームのその後」と題したフォーラムが行われた。
現在ドイツで発行されているMANGAは約40タイトル。この2年間、コミック本全体の売上は思わしくないが、日本のMANGAは「出せば売れる」という状態だという。
一方、同フォーラムでは決して質の高い作品が翻訳出版されているわけではない、という指摘もされた。ビジネスとしてはあくまでも10代前半を中心にした層が市場の中心になることが大きな理由のひとつだという。
ではなぜ、10代前半の子供たちにMANGAが人気なのか。
それは、子供と大人のカルチャーがほぼ同じものになったという事情が背景になっている。かつては大人と子供のカルチャーはわかれていた。文化といえばハイカルチャーだった。
コミックサロンの期間中、市内のいたるところにMANGAが登場した
ところが今はサブカルチャーが主流の時代だ。ロックのイベントがあれば親子で楽しんでいる。そこで、子供たちは親と異なるカルチャーを求める。それがMANGAだというわけだ。実際コミックサロンの会場では日の丸をマントに闊歩する10代と思われるMANGAファンも見かけた。
■「片思い文化交流」の突破口か
ところで、日独の文化交流の状況というと、明治以降、日本の「片思い」の状態が長い。そんななか、ドイツが恋した日本文化はMANGAだった。
グローバル化といえば経済が中心の話になりがちで、その弊害を問題視する人も少なくない。
しかしながら、大衆的なマーケットのなかに日本文化がドイツに渡り始めている、というのがMANGAブームの正体ではないか。グローバル経済にのった新たな文化の流通である。(了)
【2002年9月16日付 『週刊京都経済』掲載分に加筆】
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日の丸をマントがわり歩くドイツのMANGAファン
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