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2002-03-28
制作集団を育成した企業ホール
大阪・トリイホール
【大阪】関西のコンテンポラリーダンスの拠点として知られるトリイホール(大阪市)で最後のダンス公演がおこなわれた。同ホールは飲食店などが入居する鳥居ビル内にあるもので、企業が運営する小ホールとして知られている。
今月24日、「大感謝祭〜春の祭典〜DANCE CIRCUS 100連発」として同ホールゆかりの36アーティストが10分程度の作品を次々と上演。これまで、単なる「発表の場づくり」以上にダンスの創造環境の向上にまで寄与してきたトリイホールへ感謝の意をささげた。
■注目された運営方法
同ホールがダンス事業に力をいれはじめたのは90年代半ばから。当初は年1回のフェスティバル形式のプログラム「OSAKA DANCE EXPERIENCE」を中心にしたものだったが、96年から年間30本程度のダンスを行うプログラム「DANCE BOX」をはじめた。
当初、「DANCE BOX」はホールのレンタル事業としても稼動しにくい月曜日の「穴埋め」的な一面もあったが、発表の場や若手のアーティストの育成の場として機能。チケットも1,800円と映画館程度の価格におさえた。また、観客層には出演者の仲間など「身内」が多いという傾向があるが、「純粋にダンスをみたい」という動機で何度も足を運ぶ一般の観客もでてきた。
一方、ダンス関係者のみならず批評家なども集まる「サロン」とも化した。批評や観客の声などを掲載したメディアの発行や、ダンスの制作を希望する若手がボランティアで運営に関わるなど、インターンの受け入れに近い役割もはたしてきた。
最近はダンス関連のNPOと連携するかたちで他地方のホールとも提携公演をおこなうなど広がりがでてきたほか、今年は振付家を育成することを目的にした「トリイアワード」を設けるなど、新聞各紙でその運営ぶりが記事になることもしばしばだった。
■インキュベーターとしての真価
さて、トリイホールが一種のインキュベーター(「ふ化器」の意)として最も大きな役割を果たしたのは、制作集団を育成したことにある。「DANCE BOX」の運営そのものは実行委員会方式をとっており、ダンスの公演を継続することで運営ノウハウの蓄積や人材のネットワーク化につながった。
実際、実行委員会のスタッフワークは国内外のアーティストから高い評価をうけており、プロデューサーの大谷燠さんは「関西のダンスシーンを自分達でつくるという気持ちを各人が持っているからではないか」と分析する。
実行委員会は4月からはNPO法人化にむけて運営形態を変更していく予定だ。公演プログラム「DANCE BOX」も大阪市内のホールを活用しながら継続。新たな拠点になる劇場づくりも同時に行っていく。
なおトリイホールはこれまで行ってきた落語や音楽ライブなどは今後も継続する。(了)
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