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2002-03-12

 


企業の文化施設に危機

大阪・扇町ミュージアムスクエア閉鎖


関西の小演劇のメッカとして知られている扇町ミュージアムスクエア

【大阪】関西の小演劇のメッカとして知られる、扇町ミュージアムスクエア(以下「OMS」、大阪市北区)は、今年12月に閉館することが11日明らかになった。


OMSは1985年にオープン。大阪ガスの遊休不動産の活用を目的にした事業としてスタートした。小規模劇場や映画の上映施設、生活雑貨や演劇・映画関連の商品を販売する店、レストランなどが併設された複合文化施設だ。

オープン以来、劇場では関西の小劇団の公演が多く行なわれ、関西の小演劇の中心的存在として知られている。しかしながら1954年に建築されたビルの老朽化と、赤字経営を理由に閉館されることになった。OMSのマネジャー山納 洋さんは「なんとも残念だ」と肩をおとす。


マネジャーの山納 洋さん
閉鎖で見えてくるもの
OMSの閉鎖そのものは惜しまれるが、一方、同文化施設の置き土産とでもいえそうなものもある。

OMSでは2000年4月から「扇町Talkin'About」と名付けたサロン型のイベントをおこなってきた。これは毎回、あるテーマに基づき、参加者同士で語り合うというもの。施設内のレストラン「STAFF」をはじめ、扇町界隈の飲食店を会場に行われる。その数はすでに200回を越える。

そもそもの始まりは、山納さんだ。「小演劇のメッカ」といわれるわりに、演劇を読み取る能力の高い観客は少なく、「これでは演劇という文化そのものが衰退する」と危機感を募らせた結果だった。

実際のサロンで扱うテーマは演劇に限らず、「ポエトリーリーディングの夕べ」「大阪は文化不毛の地か?」「古典芸能VS小劇場」「ピンク映画について語る会」「新聞を斜に構えて読む会」など硬軟さまざま。

毎回、テーマにそった専門家がボランティアでパーソナリティとして場をとりもつ。参加費は無料。会場になる飲食店での飲食代だけを支払う。パーソナリティは無名でも知識なども豊富な実力派だ。

また、トークイベントの会場になっていたバーが倒産したときは、サロンの同好の士が共同で出資し購入した。今では40人が日替わりで「マスター」としてカウンターにたつ。ここでは詩の朗読会などが活発に行われている。地味に継続した結果、本来のサロン文化とでもいえるものに育ってきている。

そもそも、大阪ガスグループは、OMSを地域社会・若者文化への貢献事業と位置付けており、見方をかえれば、本来の目的を達成しているともいえる。今後は扇町界隈で育ってきた「サロン文化」がNPOなどの形態で具体的な動きが出てくる可能性もある。(了)

「扇町Talkin'About」の様子

 

 

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