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/// インタビュー///

2001-12-27

 


国語は「クニことば」であるべき

授業に関西弁をとりいれている 福本 義久さん
(御所市立御所小学校 教諭)

 


奈良県御所(ごせ)市の小学校で4年生の担任をしている福本義久さんは関西弁や御所弁にこだわった授業をおこなっている。そのこだわりを聞いてみた。(聞き手は高松平藏)

──御所弁を重視されているとか。
「主に国語の時間です。誰もが教科書を朗読した記憶があると思いますが、なぜか標準語。これでは、本当に読解ができないように思うんです。つまり私たちは普段、英語でものを考えているわけではありません。日本語で、しかも方言で考えている」

──具体的には。
「教科書は標準語で書いてあるわけですが、関西弁で読み直すことをします。たとえば、語尾なんかを下げるわけですね」
「特に効果があるのは会話文。文末で『・・・』というようなところ。関西弁、御所弁で読むと気持ちを汲み取りやすい。読解の苦手な子供でも考え出します。場合によっては標準語を外国語のように感じている子供もいるのではないでしょうか」

──朗読についての議論などは職員室でありますか。
「ありません(笑)。国語に力を入れている学校や、国語を専門にしているような先生ほど、標準語の朗読にこだわっているようです」
「もともと、私じしん標準語が嫌いなんです。学生のときから標準語の朗読に疑問をもっていた」

──日常的にテレビから標準語を浴びているのが現代っ子。標準語の朗読でも問題ないのでは?
「テレビは話す人の表情を同時に見ます。だから言葉のひだのようなところもわかる。テレビのない時代の人は文字から映像をつくれた。ところが今の子供は難しい。なにしろ映像漬けですからね」

──沖縄は歴史的な経緯も手伝って、方言を見直すことが早かったですね。
「今風にいえば物事を理解する OS のようなものが言葉だと思うわけです。御所弁のOS があって、関西弁、そして標準語がある。言語感覚の鋭い子供は、標準語でもモノを考えることができます。複数の OS を持っているからだといえるでしょう」
「国語の『国』は『お国自慢』など、地方をあらわす『クニ』であるべきではないでしょうか。標準語が『標準』になったのはごく最近の話。歴史的にみれば関西弁のほうが本流ですよ(笑)」

福本義久さん
御所小学校


【取材メモ】考える道具としての日本語 軽視してきたのでは
最近、論文の書けない大学生、大学院生が多いという。取材を通して感じたことは、考える道具としての日本語教育を軽視してきたことのツケであるように思えた。「方言で考えることを大切にしながら議論や発表をするようなことが総合的学習時間でできればいいですね」と福本さんは言う。(了)


※この記事は、「日本とドイツ・言語と教育に関する2題」として配信。
もう1本の記
マルチカルチャー時代の言語教育模索 / ドイツへ 

 

 

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