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2001-05-23

 

“愛称”で観客の裾野を広げる

ローカルヒーロー、グローバルプレイヤー」を目指せ

アーティスト 北村成美さん

 

【大阪】  関西を拠点に活動する大阪在住のアーティスト北村成美さんは、プロモーションの中で愛称を重点的に押し出す方針を述べた。

同氏はコンテンポラリーダンスと呼ばれるジャンルのダンス作品を創作、振付。自らも踊る。数年前から頭角をあらわし、専門家からも注目されている。

最近、北村さんは情報宣伝用の印刷物などに『しげやん』という愛称を随所に書き込んでいる。これは、成美(しげみ)という同氏の名前をもじったものだ。

例えば、来月4日に行なわれる公演の案内にも「なにわのコリオグラファー(振付家)、それがしげやんだ!!」と自己紹介している。ダイレクトメール用に4,000枚印刷したハガキにも、『しげやん』という愛称を刷り込んでいる。

こうした“愛称”作戦に対して、同氏は2つの面から動機を語る。ひとつはアーティストとしての自己表現。「私は大阪在住の根っからの庶民派」(同氏)という等身大の自己をアピールする。

そして、もうもうひとつの目的は、いわゆるアウトリーチだ。コンテンポラリーダンスという芸術そのものをを分かりやすくしたいという。「“しげやん”とすることで、コンテンポラリー ダンスの敷居を下げたい」(同氏)

北村さんは、月に1回程度公演を行なっているほか、昨年は『i.d』というソロ作品を30ステージ上演した。精力的な活動は新聞などで紹介されたこともあり、毎回少しづつ新しいお客が増えたという。

また劇場外のスペースなどでも公演を行なったため「ダンスがこんな身近なところでも見れるとは知らなかった」といったような感想を残す観客もいたという。今回の“愛称”作戦は、ソロ作品の連続上演の手ごたえを踏まえての展開といえる。


北村成美さん

 

■世界に通じる地域のヒーロー、地方分権時代のカギ■
ところで、風土や習慣、方言など地域の環境はアーティストの創造に影響を与える。また、「ご当地の芸術家」の存在は地域の文化的な質の充実化にもつながる。地方分権が唱えられて久しいが、独立した“地方経営”を行なうためには世界に通用する人材の育成・支援が求められるところだ。

実際ドイツの地方都市、フュルト市(人口約10万人)でこうした動きがある。地元の女優、ユッタ・クチュルダさんが1人で行なうミュージカルを同市の市営劇場がサポート、頻繁に作品を上演して好評を博している。地元のラジオ局との協力で CD の制作なども行なわれており、ドイツの隣国オーストリアからの問い合わせなどもある。同市営劇場ではクチュルダさんと作品を「商品」としても売り出す。いわば地域で育み、世界へ発信という流れがある。

ひるがえって、日本国内をみてもユニークな芸術家が地方を拠点に活動しているケースも少なくない。舞台芸術のプロデューサーの中には、わざわざ地方に注目する人もいる。いわばローカルヒーローがグローバルプレイヤーとして実力を持っていることもあるというわけだ。

北村さん自身も全国の複数のホールを巡回する公演プログラムで上演するなど、活動の幅を広げている。いわば関西という自分自身の地域色を明確にしつつ、「グローバルプレーヤー」へつながるような動きを同氏は見せている。(了)

次回の公演先になるトリイホール(大阪市)に設置された案内
【コメント】

■ 風穴を開けるような動きに期待(東京・男性 42歳)
地方から芸術の担い手が初春の草花の芽のよう に現れてくるのは楽しみです。
日本でも欧米でも、近世新しい芸術活動が勢いのあった頃に比べて、現状は閉塞的であることはいなめないと思います。 ここに風穴を開けるような動きには、 期待を持って注視したいと感じ入りました。

 

 

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