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///インタビュー///

2001-04-27

 

公営ホールもサービス業だ

人事異動少なく、制作力高める

さざんかホール
 江南 博仁さん


【奈良】 公営文化施設「さんざかホール」(奈良県大和高田市 / 人口約7万6千人)は大胆な劇場運営を取り入れて奈良の文化状況を活性化している。同ホールの責任者、江南博仁さん(文化会館事務局課長)に話をきいた。(聞き手は高松平藏)


──奈良県の文化状況はどちらかといえば保守的。そんな中、劇場の裏側を市民に公開する「ホール探検ツアー」など、いわゆるアウトリーチ(※)活動が盛んですね。

「開館は1996年。それ以前から大阪など大都市圏での先駆的な例を研究するなど、運営面での体制を考えていました」
「昨年行なった『ホール探検ツアー』ではホール所有のスタンウエイのピアノを市民の皆さんに自由にひいてもらうような企画も盛り込みました。1日開放したところ400〜500名の人がやってきました」

──自主企画はどうされていますか。

「年間20本余りの自主企画事業をおこなっています。スタッフは11名。芝居やクラッシック音楽などに造詣の深い人がメンバーです。『自分なら何がやりたいか』を明確に打ち出せる人を人事に反映しました」
「日本の行政は人事異動が盛ん。しかし、芸術を扱うところでは情熱と専門性が求められます。したがって、人事担当部署へは『動かさないでほしい』と要請しています。おかげでスタッフのほとんどが開館以来のメンバーです」

──ホールとしての戦略は何ですか。

「差別化です。奈良県内で一歩先を行く演目を行なうと集客面で苦しいですが、半歩先ぐらいをいくようにする。例えばクラッシック音楽の公演ではトークなどをいれてもらうようにしています。他方メールマガジンを発行したり、最近ではiモードを活用した情報発信もはじめました」
「差別化の核はヒトです。スタッフ各人のネットワークや情報の中でアンテナにひっかかたものを事業化していきます」

──お客さんはどこからきますか。

「奈良県下全域です。アンケートなどからどのあたりから来るお客さんが多いかが分かるため、お客さんの多い地域へはちらしのポスティングも行なっています。ちなみに昨年行なった劇団・南河内万歳一座の公演では兵庫県や大阪からもお客さんがきました」
「公営ホールといえどもサービス業です。ホテルマンのようにスマートな接客をしたいものです。電話などのマナーはいわずもがな。最近の若い人を見ていると便利で近くにあるものなら少々高いものにでもお金をだす。こうした消費傾向を見ると、身近な存在である地域のホールにも希望はあります」

※アウトリーチ:アートに触れる機会や関心のない人に何らかの働き掛けをすること。いわば社会とアートの接点を担う。具体的には美術館がワークショップを行なうような例がある。近年アートマネジメントなどの分野で議論されるようになった。


<取材メモ>
ベッドタウンに高齢者が増える
奈良県は大阪府などのベッドタウン化している地域が多い。市によっては昼間が全人口の約60%程度にまで減るとこもある。

しかしながら、昨年10月の同県の人口ピラミッドを見ると、50歳代の人口がもっとも多い。構造的にいえば、大阪府下などに通勤している人がこの1、2年で奈良県内のマイホームに戻ってくるかたちだ。すなわち、ベッドタウンではリタイアした人が増え、芸術や文化面でのニーズが高まる可能性もある。(了)

さざんかホール


江南博仁さん

 

 

 

 

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