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2001-03-05

 

アートの重要性に論理付けを

芸術文化総合研究センター、教育関係の研究会を構想

 

【奈良】 伝統文化・芸能に関する専門紙『伝文新聞』の発行などを行なう芸術文化総合研究センター(奈良市)は、芸術教育に関する研究会を立ち上げる計画があることを明らかにした。

同センター所長、染川明義さんによると、京都を本拠地に日本の芸術教育に関する研究会を今年中に立ち上げるという。「まずは、日本の伝統音楽を学校カリキュラムにどういれるかというテーマから取り組みたい」と同氏はいう。

昨年度から文部省の学習指導要領が改定され、音楽教育に日本の伝統音楽を取り入れるということになった。しかしながら演奏方法、成立の歴史、教授法などが西洋音楽と異なるため、その導入は容易ではない。「単に五線譜になおして、日本の伝統楽器を演奏しても日本の音楽を学んだことにはならない」(同氏)。

各国の音楽はそもそも、風土や歴史によって育まれてきたものだ。いわば、人々が自然の環境を感じながら成立してきたという側面が大きい。しかし、現在、音楽の授業で行なわれていることは、演奏技術に傾注していると染川さんは指摘する。

加えて、教育全般の傾向に対しても同氏は苦言を呈す。近年、創造性の高い人材の育成が課題とされ、暗記を主にした教育カリキュラムよりも、「思考を重ねて、表現すること」に重点をおこうという動きがある。「芸術分野の科目を副教科として軽視している。創造力につながる表現力には、感じてイメージする力も重要だ」と染川さんはいう。思考力と想像力の両方が結実して、はじめて創造性の高まりにつながるというわけだ。

こうした現状に対して必要なのは、芸術が教育になぜ必要なのかという論理。これまで、科学的な立証が難しかったが、数年前から大脳生理学の研究で脳の働きが次第に明らかになってきた。脳の機能をもとに芸術の必要性について論理を構築することも可能になってきた。こうしたことから、研究会のメンバーには伝統音楽の専門家たちのほかに臨床哲学の専門家も検討している。(了)



染川明義さん

 

【読者からのメール】
◆◆現場とお上 (大阪・行政で働く民間人)
私は、昔、超ヤンキー校で美術の非常勤をしていたのですが、うーん、お上の考えることと現場は違うなと思いました。


◆◆日本全国同レベルで教えようというところにそもそもの無理 (東京・音楽家)
昨夏、小・中学校の音楽の先生にモグって、邦楽器の講習に行ってみました。が、学校の先生は顔面蒼白で、講習を受けており、講師(邦楽器奏者)の方もデモ演奏は俄然と素晴らしいのだけど、教え方が下手くそで、こんなんじゃ子供に魅力も伝えられないなあ、と実感して帰ってきました。

勿論、努力されている(導入を試みて、成功している)先生もいるのだけど、日本全国同じレベルで教えようとするところにもともと無理が生じているのではないかと思う。


◆◆そんなに深刻に考える必要はないのでは 
(大阪・谷口充洋さん )
芸術家も専門家だと思うので、専門家が陥りがちな面もある程度共通している。「芸術」の範囲を限定しすぎないようにしないと「地に足のついた」検討・報告にならない。

勉強しながらCD聞いたり、高橋尚子じゃないけどリラックスや条件付けに利用したり、はたまた温室の野菜や家畜の成長促進やストレス解消ために音楽聞かせたり、幅広く「芸術」(そんなもん芸術じゃないと言っては駄目)が利用されている現実があります。

それなりに効果があるので、効果の方が「なぜ(根拠)」に先行していたのですが、最近は何らかの説明があるようです。

また、効果が十分に予測できるものには大きな効果は望めない面も。
効果の予測や根拠が不明だからこそ「教育」という先進性が必要な分野では「臨床」しながら確かめていくべき。

 

 

 

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